2021/02/25 00:19




どうもこんにちは、PROMギターボーカルのタンゲです。

先日2021年2月20日(土)は下北沢LIVE HAUSにてファストコアなイベントを組ませてもらいました。
NONONOメンバー在籍、ゼルダ meets DISCHORD?なsouk。
東十条なかよしファストコアVxNx。
江戸川区のVIOLENT CHILDREN!?なヤングHC、PATROL TIME。

最高のメンツでした!ご来場の皆様ありがとうございました~!
今回キャンセルとなってしまったGOH、またリベンジしたいところです!

改めて、皆さんファストコアというジャンルをご存じでしょうか?

USハードコアの速度と、UKハードコアのノイズが混じり、より一層激化したハードコアパンクのサブジャンルです。

今回は、グラインド/デス/ブラックメタルを形成するにあたって必要不可欠な存在となった"ファストコア"の帝王"SIEGE"ついて、自分の知る限りのお話しをしたいと思います。

前回にお話しした「"パンクパンクこんにちは"Vol.3 ~ 魅惑のD-BEAT ~」編から、また少し羽を伸ばしてみたコーナーです。

それでは"パンクパンクこんにちは"Vol.5、はじまり~ 


中学生による革命的"包囲射撃"


SIEGEはUSマサチューセッツ州の小さな町、ウェイマスで結成。
当時メンバーの半数が中学生(14~16歳くらい)なのに、この常軌を逸した高速ビートを生み出してしまった彼ら。
当時の情報はなかなか発掘することが難しく、94年にRELAPSEよりリリースされた「DROPDEAD」を除くと、パスヘッド主宰のコンピレーション「PUSMORT VIEW」「Cleanse the Bacteria」に参加したということだけが、彼らを世に知らしめていたみたいです。

このパスヘッドコンピ、「PUSMORT VIEW」の曲の羅列が特にすごいんですよ。
Copass Grinderz、Rocket From The Cryptと続いてSIEGEですからね。

パンク、ハードコアバンドは活動期間が1~3年と短命に終わることは珍しくありませんが
そんな彼らのひと夏の体験が今もパンクスに引き継がれていると思うとグッときますね。
まるでハードコア版スタンド・バイ・ミー。

LIVE AT JIDOKAN


中学生バンドというと、大変なのがライブの出演場所です。

筆者も中学生時代、スタジオ代はおろか、ライブハウスのノルマをさばくなんてことはまず無理でした。
そもそもお小遣いから捻出するか考えるほど数学できていないので
当然、お金のかからない場所を探します。

区民会館、厚生年金会館、公園等あらゆる場所でトライ&エラーをしまくっていました。
資源ごみから拾ったドラムセットとZO-3(アンプ内蔵ギター)で昼間の民家の前で音を出して、案の定パトカーを呼ばれたり...笑。

おかんに激怒されベソかきながらも
「(BLACK FLAGだって教会でライブやって警察きてるもん..!!)」
等と思っておりました笑。

そんな状況が必至となる中学生バンドですが、SIEGEの場合はどうだったのでしょうか。

Siege - Live '84



これは筆者命名「伝説の多目的室」ライブです。

もう、情報量が多いのか少ないのか、意味が分かりません。
ちょいマッチョ、星条旗、アイスウォッシュジーンズを見て、映画「トップ・ガン」を思い出す方も多いのではないでしょうか。

また、この動画の伝説ポイントとして「史上最強のジャンプ」が存在するんです。
0:04~0:06にかけて。



間違いなくMVP!!!ファストコアジャンプはこれで決まり!!


SIEGEのその後

ボーカルのケヴィン脱退後、後にANAL CUNTで活躍するセスパットナムが加入するも、ほぼほぼお蔵入りの状態になり、2014年再発。
初期D-BEATモノとして聴くにはこちらもカッコいいのですが、爆速な猪突猛進スタイルではなくなっていますね。

Siege - Lost Session '91


2011年にボーカルのケヴィンが糖尿病との合併症により亡くなり、意を決したドラムのロブにより再度「DROP DEAD : 30TH ANNIVERSARY EDITION」が発売されるのでした。

最後に


僕は自分で何かを生み出すとき「衝動性」「速度」をとても重要視しています。
(というか最近、重要視しようと思いました...笑)

そんな「衝動性」真っ盛りの時期にこんな高速のハードコア・パンクを生み出してしまったSIEGEにはリスペクトしかありません。
例えばこの衝動を邪魔する「世論」だったり「周辺の人間」だったりがあった場合、こういう音楽が世に存在するチャンスが減るわけじゃないですか?

それはあまりにももったいないですよね。
想像できる瞬間が、最も創造できると、筆者は思っております。

それでは、またまた~