2021/02/04 22:15
どうもこんにちは、PROMギターボーカルのタンゲです。
下北沢に引っ越して早一年。
去年末から再度在宅勤務になり時間がより増えたので(基本的に暇人です)
前の家からとりあえず持ってきたものをようやく断捨離しております。
映画館のチラシ/フリーペーパーとか、「無料のもの」をついつい持って帰るクセがあるんですよねー...貧乏性...。
その中に紛れていたのが、結構前にTOWER RECORDSが発刊していたフリーペーパー"踊るロック"でした。
読んだことあったかなってくらい全然読んでないのに、何故か3冊もありました。
(おまえ、スティーヴ・アオキとか聴かないだろ!)
編集担当の方には申し訳ありません...。
そもそも、良くある表現「踊れる音楽」に自分は出会ったことあるのか?
と自問自答した末、気付きました。
あります!
僕にも"踊れる音楽"!
ズバリそれは"D-BEAT"
UKのハードコアバンド、"DISCHARGE"が開発したと言われているあの「ドッタドットタン」ビートです。
今回はそんな踊れるビート、D-BEATについてお話させて頂きたいと思います。
それでは"パンクパンクこんにちは"Vol.3、はじまりはじまり~
出会いはクイックモーション
僕自身、ハードコアパンクはBAD BRAINSや7SECONDS等のとびきり早いものから聴いてしまったので、同年代の80s UKハードコア(通称UK 80`s)のバンドの速度に、当時は「若干物足りないかも...」と思っていました。
しかし、有名なEXPLOITEDやGBH、DISCHARGEの御三家はパンクスとして聴かなければならない壁だと思い、一通り聴いていました。
カッコいいぞ!GBH
元々Motorheadは大好きだったので、GBHの豪快でややメタリックな展開はすぐにハマっていきました。
"Give Me Fire"のPVが何故かめちゃくちゃ真昼間の屋上で撮影されており
「こういうのって、くるりとかがやってるイメージだなあ」
とか思ってました笑。
メンバー全員カッコよくて、このPVに影響されてフライングVも買いました。
筆者初めて購入したギター、弾きにくかったなあ~
G.B.H - Give Me Fire
おっかないぞ!EXPLOITED
"Punks Not Dead"という言葉であまりにも有名、赤モヒカンの元軍人ワッティー率いるEXPLOITEDは、1stは少し早めの派手なパンクという印象でしたが
2ndアルバム"Troops of Tomorrow"からめちゃくちゃに加速していきます。
1曲目"Jimmy Boyle"のハウリングには即ノックアウトでした。
ジャケットもゾンビとか廃墟とか出てきて、リアル中二の僕にはとてもカッコ良く見えました。
The Exploited "Jimmy Boyle"
残ったぞ!DISCHARGE
「残るはDISCHARGEか」
期待に胸を膨らませ聴いた"WHY"というアルバム。
Discharge- Why
一曲目"Visions of War"を流すと
震えるギター、どこかで爆弾が投下されたような音、そして次の瞬間...
凄まじいノイズの嵐!!
そして筆者初体験の「ドッタドットタン」が登場。
良く見るとジャケットには数々の死体、血を吹き出す女性の姿
一気に全身の血の気が引き、恐怖の音塊が耳を破壊します。
筆者が聴いていたハードコア・パンクには、ロックンロールとしての基礎的なメロディや展開、コード進行がボトムとしてあるものだったので
DISCHARGEのように奇妙で不穏なコードは衝撃でした。
そして、DISCHARGEの更なる特徴として、どんな音楽にも使われているであろう表現「拍」がおかしいんです。
どんな曲でも2拍、4拍、8拍等の偶数が基盤として育ってきた方が多いと思うのですが
DISCHARGEにはそんな「来るべき4拍目」が存在しないんです。
まるで、一人また一人と犠牲者が増えるかのように...
そんなオカルティックなことも相まって、DISCHARGEは僕にとってかなりの恐怖体験でした。
D-BEATの進化
D-BEATのパイオニア、DISCHARGEに影響を受けたバンドは数知れず。
ハードコアパンクはより一層、研ぎ澄まされていきます。
D-BEATはどのように形を変えていったのか?
スウェーデンのレジェンドハードコアバンド"Anti Cimex"を中心に、個人的観点とで紹介させて頂きます。
①加速
Anti Cimex - Anarkist Attack 7'' 1981
こちらは1st EP。
まだこの頃は青臭めの棒読みボーカルとつんのめるD-BEAT、ミキサーのピークを超えた歪み等が目立ったり、カメラに微笑みかけるメンバーの写真などもあり、の青春の一枚(?)な雰囲気もうかがえます。
DISCHARGEの1.25倍もしくはそれ以上のスピードでD-BEATが刻まれています。
②さらに加速
Anti Cimex - Raped Ass EP 1983
Voが代わり迫力が段違いに変化した2枚目。
たたみかけるD-BEATに、更に拍車がかかります。
弾き過ぎず「えっ、そこで終わるの?」なギターソロはDISCHARGEそのものです。
③モータライズド化
Anti Cimex - Scandinavian Jawbreaker
大名盤の3枚目!
手と足が同じリズムを刻むことが基本だったD-BEATの法則が、今回で破壊されました。
Motorheadに代表されるように、BPMが"速い"のと体感速度が"速い"ことは別物だと筆者は思っていて、この作品はそんなMotorheadのバイカー的なドライブ感が味わえます。
dr.チャーリーのスタイルはこの作品で形成されたと言っても過言ではないと思います。
④更に更に加速
Napalm Death - Mentally Murdered
すみません、加速してばっかりでした...。
"ヤバい音楽"興味がある皆さんは一度は名前を聞いたことがあるであろう"Napalm Death"の2枚目のアルバム"From Enslavement to Obliteration"からの一曲です。
既にブラストビートという激速ビートを活用してしまっている彼らですが、D-BEATだってお手の物。
ミックハリス先生の気合いのドラムワークには頭が下がります。
最後に
「スカンジのバンドもっといるだろ」
「EXTREME NOISE TERRORは!?」
「そしてL.A.R.Mは!?」
「日本のバンドも出せよ」
などなど、自分でも書き足りない情報沢山ありますが
一先ず自分のD-BEATの出会いと考察でした。
そういえば最近発見した同じくD-BEAT考察動画。
これ面白かったですね、意外過ぎるあのバンドがルーツだった説もあるようです。
そんな感じで"パンクパンクこんにちは"Vol.3、おしまい~